NISA口座は金融機関を変更できるって本当?初心者の方の悩みを解決します。

NISA

2024年から新NISAが始まったことをきっかけに、NISA口座を開設した方は多いでしょう。

NISAは運用益に対して非課税になる制度のため、投資で資産運用を考えている方には最適の方法です。

しかし、NISA口座を開設した金融機関で取引したい商品が取り扱っていない場合があるなど、悩みを抱えている方も多いです。

そこで本記事では、NISA口座で金融機関を変更する方法や、変更した場合は運用資産がどうなるのかという点について解説します。

NISA口座に関する基礎知識

新NISA

結論から言うとNISA口座の金融機関変更は可能です。

しかし、NISA口座を変更するにあたって抑えておくべき基礎知識が以下の3点あります。

これらの点について、それぞれ解説します。

NISA口座は1人1口座まで

銀行や証券会社では、口座開設が各社で1つずつ可能ですが、NISA口座に関してはすべての金融機関で1つしか開設できません

例えば、A銀行でNISA口座を開設した場合、B証券で開設することができず、手続きの時点で却下されてしまいます。

そのため、複数の金融機関でNISA口座を保有するといったことは考えず、長期的に利用したい証券会社でNISA口座を開設しましょう。

NISA口座の変更前の資産は移管できない

NISA口座を他の金融機関に変更することは可能ですが、変更前に運用していた資産は移管できません

資産を移管できないということは、金融機関の変更前に運用していた資産と、変更後に新たに運用する資産を別々に管理することになります。

資産運用の観点から、やむを得ず変更する場合を除いて、なるべく1つの金融機関で資産管理できる方が望ましいです。

そのため、NISA口座を開設する前に、あらかじめ自分の取引したい商品や銘柄を取り扱っているか確認したうえで開設しましょう。

NISA口座の金融機関変更は時間がかかる

NISA口座を実際に変更する場合は、手続き期間として数週間かかります

手続き方法については後で解説しますが、金融機関によっては電話連絡が必要な場合があります。

店舗型の金融機関と、ネット証券などでも対応方法が異なり、変更手続き中は新たな取引ができない点にも注意が必要です。

特に注意したいのが積立設定をしている場合で、積立投資は決まった日にちに自動で購入されますが、変更手続きを始めると積立設定が解除されてしまいます。

そして、変更先の金融機関で新たに積立設定を行う必要があるため、設定が引き継がれないという点にもご注意ください。

変更手続きのタイミング

金融機関変更は、NISA口座の利用状況や手続きする時期によって対応が異なります

他社でNISA取引がない場合の変更手続き

他社でNISA取引がない場合の変更手続き

他社でNISA取引がない場合の金融機関の変更は、当年9月末までに「廃止通知書」を提出し、手続きを完了させる必要があります。

9月末までに金融機関変更の手続きが完了すると、10月1日から変更先の金融機関で取引が可能となります。

また、翌年1月1日からの取引を行いたい場合は12月中旬までに手続きを完了させる必要があるので、時間に余裕をもってご対応ください。

他社でNISA取引がある場合の変更手続き

他社でNISA取引がある場合の変更手続き

他社でNISA取引が1度でもある場合は、当年中に変更することはできません

例えば、2024年にNISA取引を行っていた場合は、2024年は金融機関を変更できず、2024年10月1日以降に金融機関変更手続きを行い、2025年から変更先の金融機関で取引できるようになります。

NISA口座の証券会社の変更方法

NISA口座の証券会社の変更方法

ここまでNISA口座の基礎知識や変更のタイミングについて解説しましたが、つぎに実際に金融機関の変更方法について解説します。

変更手続きには、大きく分けて以下の3ステップで手続きを行います。

これらのステップについて、それぞれ解説します。

STEP1.変更前のNISA口座の廃止手続き

まずは変更前の金融機関でNISA口座の廃止手続きを行います。

利用している金融機関にNISA口座を別の金融機関に変更したいことを伝えましょう。

金融機関によって対応方法が異なり、ネット上の手続きだけで完結するところがあれば、電話が必要なところもあるため、必要に応じてご対応ください。

金融機関の変更したいことが伝わると、変更前の金融機関から「金融商品取引業者等変更届出書」が送られてくるので、必要事項を記入します。

記入が完了したら、変更前の金融機関へ返送し「勘定廃止通知書」が送られてくるのを待ちます。内容に不備があれば再提出する必要があるので注意して記入しましょう。

「勘定廃止通知書」が届いたら変更先の金融機関へ送付する必要があるので、大切に保管してください。

STEP2.変更先のNISA口座開設

「勘定廃止通知書」が届いたら変更先の金融機関でNISA口座を開設するために、まずは「総合口座」を開設してください。

NISA口座は、総合口座を開設していないと手続きできないので、使わない場合でも開設が必要なのでその点は理解しておきましょう。

総合口座が開設できると「非課税口座開設届出書」が送られてくるので、必要事項を記入してください。

STEP3.必要書類の郵送

変更後の「非課税口座開設届出書」の必要事項に記入が完了したら、内容に不備がないことを確認してください。

記入内容に問題がなければ、変更前の金融機関から届いた「勘定廃止通知書」を同封して変更先の金融機関に郵送します。

以上の流れで手続きは完了となり、金融機関や税務署が内容をチェックし、問題がなければ無事変更完了です。

変更手続きには数週間かかるため、変更したい場合は時間に余裕をもってなるべく早く手続きすることをおすすめします。

金融機関を変更するとどうなる?

金融機関を変更するとどうなる?

NISA口座の金融機関を変更すると以下の3つの効果があります。

これらの点について、それぞれ解説します。

取引可能商品や銘柄が増える可能性がある

NISAに対応した商品や銘柄は金融機関によって異なるため、金融機関を変更することで取引対象が増える可能性があります。

特に銀行でNISA口座を開設した人は特定の投資信託にしか投資ができませんが、証券会社で開設することで個別株やETFなどにも投資できるようになります。

2024年から始まった新NISAでは年間非課税枠が増えているため、様々な銘柄に投資したい場合は証券会社でNISA口座を利用することがおすすめです。

成長投資枠とつみたて投資枠で年間360万円まで投資できるようになっていることから、後悔しないように金融機関を選びましょう。

手数料が安くなる可能性がある

NISA口座は運用益に対して非課税であるものの、取引を行う際には売買手数料が発生し、それ以外にも様々なコストがかかります

もちろん必要なコストは投資する商品によっても異なりますが、金融機関によっても異なります。

特に銀行などでNISA口座を運用する場合は、ネット証券に比べて手数料が高いという特徴があります。

手数料が高いことで、運用益が少なくなってしまうという欠点があるため、NISA口座を開設する際は手数料面も考慮したうえで開設しましょう。

取引がしやすくなる可能性がある

NISA口座は、店舗型の証券会社や銀行では窓口で担当者と話をして「どのファンドに投資するか」「いくら投資するか」といった条件を決めてから投資します。

しかし、ネット証券ではアプリを活用して、自分で投資したい商品や銘柄をリサーチして自由に売買することができます。

アプリを活用することで、リアルタイムに売買することができ、運用状況も簡単に把握することができます。

店舗型の証券会社や銀行でNISA口座を運用する場合は、担当者を経由して情報を聞く必要があるため、取引の自由度が低いという点で不便に感じる方もいるでしょう。

とはいえ、店舗型は不便だから「使う価値無し」というわけではなく、担当者から有益な情報を得られる可能性があり、また最適なタイミングで売買してくれるメリットがあります。

これらの点から、自分で自由に売買したい場合は「ネット証券」、知識のある方に運用してもらいたい場合は「店舗型」といった判断でNISA口座を開設するといいでしょう。

まとめ

まとめ

ここまで、NISA口座の金融機関を変更する方法や変更した場合の特徴などについて解説してきました。

まとめポイント

・NISA口座は1人1口座まで
・NISA口座の変更前の資産は移管できない
・NISA口座の金融機関変更は時間がかかる
・変更手続きは利用状況や時期によって対応が異なる
・証券会社の変更方法は3つの手順で完了する
・金融機関の変更は商品が増えたり手数料が安くなる可能性がある

変更するにあたって、変更前と変更先の両方で手続きする必要があり、また手続き完了まで数週間かかります

変更手続き中は新たな取引ができず、また変更前で運用していた資産を移管できないという注意点があります。

しかし、金融機関を変更することで、取引可能な銘柄や商品が増え、手数料が安くなる可能性がある点はメリットといえるでしょう。

また、取引するためにアプリが使えるネット証券は、自由な売買でNISA口座を利用できるという特徴があります。

店舗型の証券会社や銀行は、手数料が高く、売買が自由に行えないというデメリットがありますが、有益な情報を直接聞けるという点はメリットです。

これらのことを踏まえたうえで、NISA口座を変更したい場合は、本記事を参考に手続きを行ってみてください。

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