
株式投資は100株ずつの取引が一般的だったため、損益の増減が激しく、ある程度まとまったお金を準備する必要があり、投資初心者にはハードルが高いと言われていました。
しかし、近年ではネット証券を中心に「単元未満株」という1株ずつ取引できる方法が普及してきました。
SBI証券も単元未満株の取引に対応しており、新NISAの成長投資枠を利用して非課税でお得に運用することも可能です。
そこで本記事では、SBI証券での単元未満株の特徴や取引方法について解説します。
単元未満株とは
単元未満株とは、株式投資は通常「単元100株」などと取引条件が設定されていますが、設定されている単元未満の株数を取引できるサービスのことです。
単元未満株のことを各証券会社によって名称が異なりますが、SBI証券では「S株」といわれています。
通常100株を単元とする銘柄を取引する場合、株価が1,000円の場合は「10万円」の元手が必要となります。
しかし、単元未満株(S株)で取引する場合は、1株ずつ取引できるため、元手は1,000円のみで取引が可能です。
実際の銘柄で見ると「日本電信電話(9432)を取引する場合、株価180円程度で推移しているため、100株で取引すると18,000円が必要ですが、単元未満株の場合は180円だけで購入することができます。
SBI証券で単元未満株のサービスが始まったことで、投資初心者が感じる投資へのハードルは格段と低くなっているでしょう。
SBI証券の単元未満株の特徴
単元未満株の特徴は以下の5点があげられます。
これらの点について、それぞれ解説します。
取引手数料が無料
SBI証券では、単元未満株の取引にかかる取引手数料は無料となっています。
他の証券会社の手数料は、購入時〇〇%、売却時〇〇%とそれぞれ手数料が設定されているため、100株で取引するより割高な手数料を支払う必要があります。
しかし、SBI証券では購入時・売却時に関わらず手数料は無料となっているため、色々な銘柄を1株ずつ購入することができます。
手数料のことを気にして取引を控える必要がない点は大きなメリットといえるでしょう。
少額から投資できる
1株ずつ取引できることで、株式投資に対するハードルが一気に下がるでしょう、
100株ずつ取引する場合は、まとまったお金が必要となるため、投資のための資金として捻出するのが難しいという方も少なくありません。
とくに以下のように有名な企業の場合は株価が高いことが多いので、取引できない方も多いでしょう。
- 任天堂(7974):株価8,500円(100株で850,000円)
- ファーストリテイリング(9983):株価43,000円(100株で4,300,000円)
- ソニーグループ(6758):株価13,000円(100株で1,300,000円)
しかし、SBI証券では1株ずつ取引できるため、たとえ株価が高くても資金に見合った分だけ投資できるため、これまで諦めていた銘柄にも投資できます。
毎月少額で取引したい場合は積立感覚で、毎月1株ずつ購入するといった方法もおすすめです。
約定価格はリアルタイムではない
100株単位で取引する場合、リアルタイムの株価を見ながら取引することができるため「今の株価で購入したい」という時はすぐに購入することができます。
しかし、単元未満株はリアルタイムの株価で取引することができず、以下のスケジュールで約定されます。
注文時間 | 約定価格 |
---|---|
0時~7時 | 当日前場始値 |
7時~10時30分 | 当日後場始値 |
10時30分~13時30分 | 当日後場終値 |
13時30分~24時 | 翌日前場始値 |
このように注文するタイミングによって約定するタイミングが設定されています。
そのため、当日前場始値で購入したい場合は朝の7時までに注文しておく必要があり、当日後場終値で購入したい場合は13時30分までに注文する必要があるのでご注意ください。
配当金がもらえる
配当金や株主優待など、株主に対して還元される銘柄が数多くありますが、株式を100株以上保有していないと権利が得られないと勘違いしている方がいます。
株主優待は100株未満だと権利が得られないところが多いですが、配当金は1株からもらうことができます。
例えば、1株あたり100円の配当を出している銘柄だと、配当日に100円が証券口座に振り込まれます。
なお、配当金は100株取引している時よりも金額が小さい点は理解しておきましょう。
損益額が小さい
1株ずつの取引は元手が小さい分、損益額も小さくなります。
例えば100株を取引する場合、購入時より株価が100円上昇すると1万円の含み益となり、逆に株価が100円下落すると1万円の含み損となります。
しかし、1株ずつ取引する場合は、株価が100円上昇したとしても100円の含み益にしかなりません。
元手が少ない分、得られる利益も小さくなるため、もし1株の利益では物足りないという場合は、10株や20株を保有することを検討してみても良いでしょう。
なお、1株ずつの取引は利益が小さい分、損失額も小さく抑えられるのが特徴で、株価が100円下落しても100円の損失しか受けないというメリットもあります。
これらのことから、リスクやリターンの許容度を自分で把握し、「どれだけの損失まで耐えられる」「どれだけの利益を得たい」といったことを考えたうえで投資しましょう。
1株ずつ取引する方法
それでは実際に1株ずつ取引する方法を解説します。
まずは、SBI証券のアプリを開き、購入したい銘柄を選択します。
個別画面を開いたら「取引」を選択します。
注文方法一覧が表示されるので「現物買」を選択します。
注文画面が表示されたら「S株」を選択し、「取引口座」を選択します。
株数を「1株」と入力し、「取引パスワード」を入力します。
なお、取引パスワードを何度も入力するのが面倒な場合は、「保存」にチェックを入れると次回以降の注文で入力を省略できるので必要に応じてご対応ください。
「S株取引ルール」に同意のチェックを入れ、「確認」を選択すると発注完了となります。
以上の流れで注文が完了となります。
なお、約定価格はリアルタイムの株価ではなく、注文時間によって「前場始値」もしくは「後場始値」で約定されるためご注意ください。
また、購入した株を売却する際は、注文方法一覧画面から「現物売」を選択すると売却できます。
まとめ
ここまで、SBI証券の単元未満株の特徴や取引する方法について解説してきました。
単元未満株は、株式投資に対するハードルを下げることができ、気軽に投資しやすいサービスとして人気です。
SBI証券では取引手数料が無料となっている点も人気の理由で、少額から投資を始め、なおかつコストを抑えたい方にもおすすめです。
また、単元未満ではあるものの、配当金を得られる点や、損失リスクを抑えられる点もメリットといえるでしょう。
本記事を参考に、SBI証券で1株ずつ投資したいという方はまずは口座開設から始めてみましょう。